リ サ イ タ ル

 

音声

[ 約2分 ]


 幕末の弘化四(1847)年、『仮名手本忠臣蔵』の五段目を題材とLた変化舞踊の地として作られた曲ですが、踊りは残らず、長唄だけが残っています。作詞は三世桜田治助、作曲は二世杵屋勝三郎です。京都南部山崎に在るお軽の実家に身を寄せて猟師をしていた早野勘平が、山崎街道ぞ撃った猪を、角兵衛獅子にもじって「越後獅子」のパロディに仕立てた曲です。軽く砕けていて、短いですが楽しい曲です。前半の二上りでは、早間で「越後獅子」の旋律を覗かせたリ、同じ文句の「浜唄」ではひと味違う節付けを聞かせたリ、一転Lて諷逸な「音頭」になるなど工夫があリます。後半ては、三下りの特徴を生かしながら、三味線の皮肉な手付けと絶妙な間で、洒落た味を出しています。チヽヽヽヽヽの「忍三重」や、「踊り地」の面白い手も聴き所です。