リ サ イ タ ル

 

音声

[ 約2分 ]


 『戦後も早いころに、亀井戸の天神の門前で、お亀が松茸を背負っていた張子の人形を売っていたのを想い出した。「おかめおかめと沢山そうに」とロから出た。
 江戸神楽では、おかめは″ひょっとこ″とともに欠かせない。「おかめ笹」というのは永井荷風の小説にもあるが、おかめの面をつける五枚葉の笹のことで、「おかめそば」は正月の「福笑い」のように、目鼻風に具を乗せたそばである。江戸の福神として鷲の市の熊手でお職も張る。
 一名、お福、お多福ともいうが、もと狂言面の「乙」から出たものであろう。お亀は、もっぱら江戸で愛された。
 神楽では、アメノウズメが、お亀の面である。天孫降臨のときに、猿田彦と対決して、功をあらわした。
 おかめは、庶民に愛され、敬されて、いちども軽んぜられたことがない』と作者である郡司正勝先生は解説されております。
 この曲は花柳寿恵幸師が昭和六十三年「倭の会」で踊られ、数々の賞を受けられております。
 歌詞は鶴屋南北の世界の様に、変幻自在に次から次へと飛んで行きます。
私も負けずに、長唄にとどまらず自由自在に気のおもむくままに作曲しました。
でもお亀という女性は男にとって何んだか可愛くて又、なつかしい女だと思いますが・・・・