リ サ イ タ ル

 

音声

[ 約2分 ]


 俄はユーモアと諷刺に満ちた即興劇で、やがては本格的な喜劇に発展した大阪独自の民俗芸能です。昔は興業もあり、祭礼の折りなども非常に盛んでありました。何でも屋の銭貰いが流行の俄を当て込んでの一人芝居と一人踊り、からかさ一本を道具にして橋の袂に立って大いに稼ごうと計りましたが、人の寄らないすずろ寒さにくしゃみ一つ残してしょんぼりと消え去ります。この情景を長唄に作りましたのがこの作品で、昭和四十五年東音創作会で初演されました。作曲者の中島勝祐先生は大阪生まれの大阪育ち、その上常磐津、上方唄に親しみ、長唄には珍しく浄瑠璃風で上方情緒を十二分に発揮しての音づけです。